沢田研二さん今年も3月11日に新曲を発売されました。
東日本大震災から9年。その翌年(2012年~)から毎年3月11日に新曲を出しておられます。
被災地への祈り、鎮魂。そして社会に対する疑問、怒り。それはいずれも平和への紡ぎとなっています。
ここでは、発売された新曲「Help!Help!Help!Help」について、一ファン目線からのレビューです。
発売の流れ
今年は3月11日に発売となってはいましたが、直前に発売側の諸事情により山野楽器、澤會(ファンクラブ)直販以外は14日発売に変更となりました。わたしは毎年楽天で注文しており、発売日前日には届きます。
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今年も多くのジュリーファンが山野楽器さん銀座本店に訪れたようです
ジャケットデザイン
沢田研二さんは2011年の震災直後に黄色い腕輪を皆さんはめていただいて、被災地への祈りをともにしましょうという気持ちでしょう、ファンの皆様にいわゆる「黄色い輪っか」をプレゼントされました。2013年以降のジャケットから、変化をつけながらも常にこの輪を載せておられます。
今年はこのようなデザインで、どういう意図が?と分かりませんでしたが、曲を聴いてみて理解しました(後述)
柴山和彦氏が名を連ねる
以前までなかった表現として、ジュリーとともに音楽活動を共にしているギタリスト・柴山和彦氏(通称:カズさん)が名を連ねていることでした。これはジュリーの想いとしてはカズさんは自分のバックギターではなく、対等の立場である、ということなのでしょう。おそらく来年以降もこの表記になると思われます。それでは曲を聴いてみましょう。
Help!Help!Help!Help! 作詞:沢田研二 作曲:柴山和彦
曲調からすると、ジュリーが詞を書き、それを見てカズさんが曲をつけた感じでしょうか?
「Help!」はいわゆる地球の「Help!」のことだと思われます。人間が地球を汚染する、それによって地球も異常気象で人間をはじめ生物を襲う。それが止まり平和になってほしいというジュリーの祈りの歌だと理解しました。
後曲の「頑張んべえよ」にもありますが、注目は曲中に入るコーラスです。これは2019年11月29日、東京国際フォーラムで開催された「沢田研二2019年LIVE SHOUT!」において録音されました。次の新曲で皆さんの声を使いたいので録音させてくださいとジュリーがお願いされ、収録の運びとなりました。ちょうどタイトルの「Help!Help!Help!Help!」を録ったのですが裏拍子なので難しく、なかなか揃いませんでしたが(^-^;
曲を聴く限りでは表拍でもいい気がしますが、参考になるサイトがありました。
裏拍子にすることで、よりその曲に深みが出るんですね。ここでは表でコーラスさせてしまうと、ただの叫びになってしまう。裏にすることで、この歌の流れにうまく乗っていますね。苦労して録った甲斐がありました!
頑張んべえよ 作詞・作曲:沢田研二
ジュリー作詞作曲。まさしく自身が自身に捧げた歌であり、ROCK魂を爆発させている歌だと思いました。これでジャケットのイメージとリンクしましたね。ROCK=岩石とたとえ、輪っかが石化しているんです。タイトルも「頑張るぜ!」じゃなくてちょっと照れ隠しっぽく?「頑張んべえよ」としているところがジュリーらしい(笑)
そして注目としては2点。まずはジュリーの声、一見「ちょっとがなりがあるなあ、声の調子が悪い日だったのかなあ」なんて思ってしまうかもしれませんが、聴いているうち、「あ、これ故意だ」と気づきました。ジュリーは敢えてこうやって歌っているんですね。
石の上にも結構居るね 頑固偏固で半世紀
その岩のように固い頑固偏固さ(褒めてます)のジュリーがこの心情吐露する歌を歌う上において、「君をのせて」のように澄んだ声で歌ったら合わないでしょう(笑)
極めつけが
頑張んべえよ
ROCKは死ねねえ
おそらく沢田研二さんの音源化された歌史上、もっとも叫んでる部分だと思われます。歌の合間のシャウト的なものはあるでしょうがメロディに乗っている歌声として。しかもかなり高い声で。
ジュリーの魅力として「可愛らしい」と思う部分があるんですが、わたしなんかこの曲聴いてなぜか可愛らしいと思いましたね。おじいちゃんになったら丸くなるなんて、まっぴらごめん、いつまでも尖っていくぜ!それがROCKや!って叫んでるおじいちゃんジュリー。ああ、可愛いなって、たぶんこの感情、通常だとおかしいと思うんですが(^-^;
イメージ図↓
もう1点、ここでも国際フォーラムで収録したコーラスが使用されています。
毎度 毎度 毎度 毎度 毎度 毎度 毎度 毎度
(ひらがな表記のイメージでしたが漢字でしたね)
よく聴いていると、毎度の間にジュリーのため声が聴こえます。
収録時はHelp!もですが、どんな仕上がりになるか想像ができませんでしたが、うまくジュリーの歌声に乗せてるなと。皆さんの声の質もあの時わたし自身も参加させていただきながら聞いた声とほとんど変わらないと思いました。
まとめ
年齢だけを考えると、もう十分歌手として大成してこられたわけだし、あとは自分のことだけを考えてシアワセに余生を楽しまれたらよろしいのに、と思ってしまいますが、それを自身が許さない性分が沢田研二さんであり、歌える限りは歌って、自分なりの表現でやり方で世界平和を訴えたいという気持ちが両曲から滲み出ていましたね。今まさに世界中の人々が新型肺炎とそれに伴う弊害で危機的状況となっていますが、この苦難を世界の人々が協力し合って乗り越えて、後で振り返ったらこれが平和的な方向に向かうきっかけとなったら良いのにと思っています。今年も新曲を発売していただきありがとうございました。
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