対談 先輩・後輩

JULIE

「はね駒」で共演した斉藤由貴さんとの対談です。

由貴 ワーッ、沢田さん、お久しぶりです。今日、テレビ見ました?

沢田 いや、今日は見てないんだけど。自分でやったやつ、見てんの?

由貴 私?私は、ねぇ・・・・。沢田さんは見てますか?

沢田 ときどき、見るけど(笑)。テーマ音楽が流れて、出演者の名前が出てくるでしょ。で、僕の名前が出てくるのはいちばん最後なんだよね。それで”あー、今日は出るかな、もうすぐ僕の名前が”と期待してると、その日に限って出なかったりして(笑)。名前が出てくると「今日は見よう」って感じ。

由貴 私、昨日は寝たのが4時で、きっと『はね駒』の時間には起きられないと思ってたのに、なんと8時15分に目が覚めてしまったんですよ。それで、放送が終わった8時30分に、また寝てしまったんですけど(笑)。今日は松浪先生、しっかり出てらっしゃいましたよ、英語の授業のシーンでしたから。

沢田 あー、あれね、イヤだったんだ。

由貴 おりんが発音を間違えて・・・・・。

沢田 松浪先生が直すというシーンなんだけど、彼女のほうが全然うまいわけよ。英語指導の先生に「彼女のほうが正しい」っていわれたりして(笑)

由貴 えーッ、そんなこともなかったですよォ。

沢田 いや、これは勉強した年代が違うからしょうがないのね。僕らの時代というのは、より本物らしい発音をしようとすると、友達がバカにするわけ。「バーカ、気どりやがって」とか(笑)。つまり、日本語風英語の世代だから、それでも僕はその中じゃうまいほうなんだけど、やっぱり若い人にはかなわないのね。

編集部 由貴ちゃんは、ずっと前から沢田さんのファンだったとか?

由貴 うわーッ、沢田さんが目の前にいらっしゃるのに、そんなこといわれるとテレますよ、顔が赤くなっちゃう(笑)。でも、ほんとうにそうなんです・・・・。

沢田 お母さんじゃないの?ハハハ。

由貴 !?(意味がよくわからない)

編集部 お母さん、何歳?

由貴 もう46か47歳ですけどォ・・・・。あーッ、(ようやく意味がわかった!)ヤですよ。沢田さんったら(笑)。でも、沢田さんって、一緒にお仕事してみると、すごくおもしろいんです。今までは遠くのほうから見てて、なんか近寄りがたい感じがしてたんですけど。

沢田 そうかなあ(笑)。

由貴 ホントに律儀な方だと思いました。私なんか若輩者ですけど、それでも演技のことでスタッフの方にいろいろいわれると「そうじゃなくて」と、すぐいっちゃうんです。でも、沢田さんはスタッフの意見もきちんと尊重してらして、まわりの方のことをしっかり考えていらっしゃると思いました。

沢田 実は何も考えていない(笑)。

編集部 由貴ちゃんの印象はどうですか。

沢田 ひじょうに聡明な方で・・・・。

由貴 あッ、急に松浪先生の口調になったりして(笑)。

田 そう、「この子は聡明です」「がんばってほしいんだ」なんてね(笑)。しかし、一緒に仕事をしてみて、すごく落ち着いてるし、どっしりしてるし。そのー、お尻が大きいとかいう意味じゃなくて。

由貴 あッ、それをすごく強調したみたいでしたよ、今(笑)。

沢田 とにかくね、『はね駒』の出演者発表の記者会見のときも、記者がちょっとむずかしい質問するとジーッと考えて、ちゃんとした答え方をしてましたからね。”女は度胸”の代表みたいな人です。

由貴 ハア・・・・。

沢田 10月までだったよね、番組は。

由貴 撮影は8月までです。松浪先生はロンドンに行ってしまうんで、沢田さんとは1か月余りのおつきあいでしたけど、あの松浪先生って、特技が”微笑”という変わった人でしたね(笑)。

沢田 でも、黙ってニコッと笑顔を見せてるだけかと思ったら、おりんにお説教したり、けっこう長いセリフがあったり。

由貴 その演技がきまってるんですよね。

沢田 僕は芝居してるときだけだもん、まじめな顔しているのは。あとはいつも笑われてるんだもん(笑)。

由貴 だって、沢田さん、おかしいんですもの。いちばん驚いたのは、初めてのロケで福島へ行ったとき。地元のエキストラの方たちが沢田さんが現れたら「キャーッ、沢田さんだわ」って大騒ぎしたんです。そしたら、今まですごくシブイ顔してた沢田さんが、いきなりニコッと笑ってVサインを出したんですよ(笑)。

沢田 男は愛きょう!(笑)

由貴 あらー、と思ったというか、そのとき安心しましたね。もちろん、独特な存在でいてほしいという気持ちはあったけど、なんだか身近な人っていう感じがして、ホッとしたものです。

沢田 フフフッ、まあ、そんなもんですよ(笑)。

由貴 ホント、ファンの人とはかけ離れたところにいらっしゃると思ってましたから・・・・。

沢田 最近、違うんですよ。ほら、「ちょっとおかしくなったんじゃないか」とか、いろいろいわれてたでしょ。たまに人前に出ると怒ってばっかりいて、記者の人たちに「バカじゃないの!」とかいったりして・・・・。そのへんの誤解を解かなきゃいけないと思って、ね。

由貴 ふーん、そうなんですか。

沢田 でも、まわりの人の態度にもよるんだよね。「ワーッ、沢田研二だ!」って喜んでくれる人には、思わずVサインも出るよ、自然の反応で。だけど、コソコソいって「沢田?なんだ、俺のほうがカッコイイ」とか聞こえよがしに何かいうのって、すごく気分悪いじゃない。そんなときは”ふり向いてやんないぞ”と思っちゃうもんね(笑)。

由貴 私も、女の子たちが「あ、由貴ちゃんだ!」といってくれると、思わず手を振ったりしますけど、コソコソいってるときは、知らん顔してますからね。

沢田 僕、前はすごかったよね。コソコソいってるヤツがいたら、「もういっぺん、面と向かっていってみろ」なんていい返したりしてた。でも、今はそういうことないね。みんな、僕のことをこわいと思ってるのかもしれないし、すぐたたかれると思ってんじゃない?(笑)

編集部 そういう変化って、年齢も関係したりして・・・。

沢田 うーん、年とともに丸くなっていくというか・・・・。アイドル時代は、女の子がキャーというと隣の男が「なんだよ、あいつは」って感じで、ファンというか、僕をとりまく人々のボルテージは高かったけど、今は「あー、沢田だ」というだけで、あとは放っておいてくれるからね。自分では自然体というか、そりゃ今でも、カチンとくるようなこといわれたら、それなりの態度しますよ。まあ、それが自然なわけですから。

由貴 私、思うんですけど、コソコソいう人たちって、表面的な斉藤由貴は知ってても、つきあってるわけじゃないから、たとえ私のことで悪口いっても、気にすることないって。だから、人のいうことってあんまり気にしないんです。でも、いいことだけはちゃんと聞いてます(笑)。

沢田 人は人なんだよね。沢田研二も斉藤由貴も一人の人間だから、自然にやるしかないと思うね。

由貴 芸能界とかアイドルといっても、フツーの人が多いんですよ。まわりの人たちは騒ぐけど、この世界って、自分を磨く努力をしている人ほど、フツーの部分を大切にしていると思うんですね。

沢田 そうだよね。自然に生きてなきゃ息苦しくなっちゃうもん。
   いくつだっけ?

由貴 19歳です。

沢田 芸能界入って、3年ぐらい?

由貴 えっと、2年たってないですね。

編集部 沢田さんも同じ年齢のころデビューだったと思いますが、最近の若い人たちを見て、どう思いますか?

沢田 うーん、時代の変化とかはあまり感じないけど、長くやってるなーと思ったりね(笑)。ホント、20年もやるなんて夢にも思ってなかった。あのころは、東京に出てこれただけで満足してたし。テレビに出ることを、「最高じゃん」なんて、みんなに「テレビ、見てね」って手紙出しまくってたんですからね(笑)。

由貴 へえー。私はテレビに出たいなーとか思ってなかったんです。友達と東京に遊びに行って、テレビ局の前を通ったりすると、”あー、いろんな芸能人がいるんだろうなー”なんて思うだけで。

沢田 最近、「先輩、いろいろおしえてください」とかいわれるけど、本人がどういうつもりでやっているかってことが、すべてなんだよね。

編集部 そういうのは、見てて、わかります?

沢田 ウン、吉川クン(吉川晃司)なんか見てると、すごいと思うね。たとえばどこかでリハーサルしてて、たまたま顔を合わせたりして「オウ」とかいってると、「これ、飲みませんか?」と飲み物を持ってきたりするんだ。この、何とも思わないような態度がスゴイと思うんだよねえ(笑)。そういうほうがいいと思うの。

由貴 ハア・・・・。(というが不可解な表情)

沢田 あいさつだけして逃げるようなヤツは、もうあかんと思うね。
 たとえば歌番組だと、みんな同じ部屋で本番まで一緒にいるんだけど、こう、目を合わせないように目を合わせないようにしている人がいるんだよね。そういうのを見てると”あ、こいつ、あかんかもしれん”と、勝手に品定めしたりして。まあ、それが当たるときもあるし、当たらないときもあるしねぇ(笑)。

由貴 ヘエーッ。ホント、話を聞いてるとアーッと思いますね。私なんかそこまで考えつかないですよ。やっぱり20年の重みっていうか・・・・なるほどねえ。私も10年後には今よりも少しは考えがまとまってるといいんですけど・・・。おりんのお兄さん役の柳沢慎吾さんが、「どうせおまえも俺も、あと5年もしたら芸能界からいなくなってる」なんて冗談いうんで、私は「なんなんですか、それは!」ってすごく怒ったりしてたんですけど。そんなことにならないようにがんばらなきゃ。

沢田 そうだ、LP、聴かせてもらいましたよ。

由貴 そうですか、ワーッ、どうしよう。

沢田 声が、すごくきれいだね。

由貴 しゃべってるときと、全然違うでしょ(笑)。思ったこといってください!

沢田 詞も書いてるんだよね。なんか独特なところがあっておもしろいと思った。僕も今度のLPでは3曲、詞を書いてるんだけど・・・。どうだった?

由貴 ハイ、聴きました。アッ、聴かせてもらいましたッ。沢田さんの詞も不思議な言葉だなーと思いました。でも、詞って、作ろう、作ろうと思うほど、言葉が出てこないってことあるでしょ。だから、パッといいフレーズが浮かぶと、車の中だろうがロケ先だろうが、すぐに書きとめておくんです、私。でも、私の書く詞って、「よく意味がわからない」とかいわれるんですよね。

沢田 いいんだよ、どこか1か所、いいところがあれば(笑)。それに、やっぱり自分の言葉とか言いまわしって大切にしたいから、自分で曲を作ったり、詞を書いたりすることって、いいことだよね。まあ、詞が不可解でもメロディーが助けてくれるっていうのもあるし・・・・(笑)。

由貴 私、詞もそうですけど、LPを作るとき、歌うばっかりじゃなくて、もっと”作る”ってことに参加したいなーって、思うんです。

沢田 うん、それはどんどんやってみるとおもしろいと思う。僕なんかも作詞・作曲やってみたいと思ったし、スタッフたちに”わしらが全部やったんや”という顔されるのはくやしいし、「俺もやったろう!」と思って(笑)。とにかくね、やってみなきゃわかんない世界なの、ダメモトの勢いでやらないと、ね。

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