はね駒(45)~本日の松浪先生~

JULIE
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松浪先生が東京へ行く前日の夜、仙台に来ている中河が松浪先生の家を訪れている

(なぜか松浪先生の荷づくりをしている中河さん)
東京には何日ご滞在の予定ですか?

(お茶を淹れている松浪先生)
東京での滞在は3日の予定だが、行き帰りを入れると一週間をみないといけないな

それでは足袋はこのくらいで?

ああ、それだけあれば
全国のミッションスクール関係者が集まって貧困児童の施設づくりのための資金集めをして回ることになっているんだ

大変なお仕事ですね。あの、今度のボイコット事件も報告なさるんですか?

いや、あれはもう少しきちんと決着がついてからだ。
(お茶を運ぶ)私の東京行きはその決着のほうにも目的があるんでね

やはりあの三人は東京の女学校に?

うん。(中河にお茶を差し出す)昼間あの三人がやってきてよく話し合ったんだが、あの三人もできれば明和女学校に入りたいと強く希望している。
現在、最も新しい女子教育を実践しているのは東京の明和女学校だろう。できたら彼女たちの希望をかなえてやりたいと思ってね

でもああいった事件を引き起こした生徒たちをすんなり受け入れてくれますかね明和のほうで

うん。彼女たちの物の考え方や人間としての優秀さを正直に話して理解してもらうより手はないだろう。しかし彼女たちを追放した学校側の人間としてそれを頼むのは甚だ矛盾した話だからね。つらい交渉になるな

でも、先生おひとりで何もかもなさって少しお疲れじゃないですか?
お顔の色がちょっと冴えませんが

いや別に
でも久しぶりに君が来てくれたっていうのにゆっくり話す暇がなくて悪いね

いや私は教会のほうの用事で来たのですから。しかもこうやって先生の旅立ちの支度を手伝わせていただくだけで、なんだか昔に戻ったようでとっても嬉しいんですよ

そうだね。二人でよく旅支度をしては日本中を伝道で歩いたね

うわぁ、この髭剃りの道具、あの頃のまだそのままお使いなんですね

よく使い込んでるでしょ

いやあ懐かしいなあ。あの頃は先生も私も若かった。
よく伝道しながら二人で歌を歌いながら歩きましたね

悩みまどいまた、苦しむことも~
のぞみはたがえず 主にこそ祈れ~

(中河の歌を聴いていた松浪先生。背後に人気を感じ振り向くと)
梅沢先生・・・

梅沢:こんばんは。お客様とは知らなくて

いや客といっても私のごくごく親しい友人ですから。どうぞお上がりください

梅沢:じゃ、失礼

どうぞこちらへ。
梅沢先生、こちらは私の友人で宣教師をなさっている中河鶴次君です。
一年前まで東北女学校で教師をなさってました

梅沢:ああじゃあ私と入れ違えで

こちら、君の後にいらして西洋歴史を担当なさっている梅沢先生です

中河:中河です、よろしく

梅沢:梅沢です。ばあやさんがいなくてご旅行の支度が大変だろうと思ってお手伝いにきたんですよ。これね私編んだんですけども、もう朝夕冷えますからどうかこれお召しになってください(包みからチョッキを出して松浪先生に見せる)

それはどうも、恐れ入ります

梅沢:いやいやいや楽しみでやってるんですから。
ああ、カバンにいれておきましょう

中河:いやもういっぱいで入りますかね?

梅沢:もうそんないっぱいなんですか?何詰めたんですか?
ちょっと拝見

中河:ちょっと、大して、あの・・ちょっとこれちゃんと詰めたんですから

梅沢:旅慣れない方はなんでも詰めすぎますからね

中河:旅慣れない?松浪先生と私は昔は伝道へ旅から旅へ旅のオーソリティーを自認しておりまして

梅沢:昔の旅と今の旅とは違いますからねえ

中河:昔の旅といったってなにもあなた籠にゆられてえっさかほいとは違いますから、もう結構ですから松浪先生のために旅支度私が一番よく承知しておりますから

梅沢:とにかく私がやりますから

中河:いいんです。あなたはお構いなく

梅沢:あんたこそもう・・

中河:あのこのチョッキが邪魔なんじゃないんですか

梅沢:ダメです

中河:さるまたをそんなに握りしめないでください

(松浪先生のカバンの中身で揉めるw二人のやりとりの間に挟まれる無言の松浪先生)

松浪先生の性格からすれば、なんか知らんw揉めている二人をすぐに諫めそうなんですが、ちょっと笑いを入れたいという演出上の都合なのでしょう(笑)
奥様ならともかく、自分の荷物は自分で用意なさった方がよろしいかと😅

それにしても寺内さん、お気持ちは分かりますが最後の「さるまたをそんなに握りしめないでください」なんてセリフを入れてジュリーファンのヘンな気持ちをかきてないでくださいww
 

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