「すじ金とれたよ」①(1987)

JULIE

「不協和音」最終号の沢田さんのインタビューです。

沢田研二インタビュー
「すじ金とれたよ」

8月5日午後6時、リハーサルスタジオにて


色んな事がありました。
インクスティック、待ちました。
夏のコンサートツアー、盛り上ってます。
研ちゃんのケガも治りました。
秋になれば楽劇も始まります。
約束どおり、ロングインタビュー開始です。

ファンの精神年齢はみんな同じでしょう(笑)

――ケガ全快、おめでとうございます。

(笑)。金具も取ったし、ついでに手のひらにあった脂肪の塊も取りました。大阪のステージ終えてから(7月)24・25日と入院して26日に退院、(8月)2日に抜糸をして、昨日、包帯を取った。だからまだなんとなく怖いけどね。傷自体はくっついているけど、まだ触ると痛いところがある。痛みがとれて腕がまっすぐ伸びるようになれば全快です。なんだかんだで半年ぐらいかかりそうだね。手のひらの脂肪の塊はずっと前からあって、寝不足とか続いたり、肝臓とかも弱ってくると塊のところが赤くなってきたり、タバコ吸い過ぎると湿疹になったりして。とくに肝臓悪くなるとものすごく痛むんだわ。で、ついでに見てもらったら、神経性のものじゃないから簡単に取れるって言われて。ほんの1mm位の真珠みたいなやつが2つ入っていたそうです。今、医学的に分析をしてもらってるところです。

――インクスティックは1日2回で4日連続、8回ともなると、スタミナの配分とか大変だったと思いますが。

いやいや1日1回ステージやるよりも楽だったよ。時間も短いから、あーもう終りかぁって。

――金具が入ったままであれだけ出来ちゃうんですか。

腕は動かしなさいって言われましたから、ステージでリハビリやってました(笑)。足だけは痛かった、足の裏が。ロックンローラーは足の裏が痛い(笑)。

――会場という点では、かなり意表をついたわけですが。

うん。まあ花道がなかったら別に普通なんだけど。いつもと違うという覚悟でできました(笑)。お客さんと近いっていうのはあんまり好きじゃないんだけど、ただ、お客さんの顔もよく見えるから面白かったけどね。ピン(ピンスポット)がいっぱいあったから、お客さんにも僕ごしに当たったりするわけだから、まぶしがられないかなって思ったけど、まぶしいどころか、まじまじと見られて(笑)。ああいう視線というのはなんか気持ち悪い気もする(笑)。顔を見られてる分にはいいんだけど、体の一部をウ~ンって感じで見られたり(笑)。

――1回目と2回目とでは客層が違うという印象がありましたが。

そうだね。2回目は男の人が多かったね。男の人の方がわりとストレートだよね。わぁ~ジュリーだぁ~っていうような・・・もう目が笑ってる(笑)。

――沢田さんのファン層は老若男女、様々な層がいるわけですが世代別にファンに言いたい事ってありますか。

同じだよ、みんな精神年齢は。若い子は「追いつこう、遅れをとっているから」と思っているだろうし、ずっとの人は「私たち若くしないとおばあちゃんは嫌われちゃう」と思ってるだろうし(笑)。
要するに沢田研二・CO-CóLO のファン層ってのはそんなに幅があるもんじゃないって思ってるよ。最近コンサート来る人は元気いいよね、男に人は。お父さんみたいな人が来ても我、関せずって感じで、イエ~!ってやってるから、オーオーって思ってさ(笑)。もう来ちゃったらみんなおんなじ。こっちがピョコピョコ跳んでると、みんなもマネして跳んでくれる。そうじゃない人は大奥の人だね(笑)。

純な、無垢な目で見てくれれば

――ファンに聞きたいことってありますか。

聞いたってしょうがないよね。今年のツアーのことでいえば、実際、一階はいっぱいになっても2階がすごく空いたりするわけよ。それでもう、もの言われてるわけだから、いちいち聞かなくってもわかるつもりだけどね。まぁもちろん色んな事情もあるだろうし。
ただ思うことは、私は沢田研二のファン、俺は沢田研二のことが好きだ、っていうのを自慢したい為だったらやめたほうがいいと思うわけ、絶対に。何が起ころうとそれこそ「屁の河童だよ」っていって、私は好きなんだからって言えればいいんだけど、そうじゃない人が確かに多いよね。自慢できる時は言うんだけど、そうじゃない時は恥ずかしくて言えないっていう、それは失礼な話だよ、本当に(笑)。それこそ切符の売れ行きから何から何まで恥ずかしい・・・みたいなね。それはもう論外ですね。

――長年のファンがスタッフみたいな気持ちに・・・。

うん。でもそれはスタッフにはなり得ないよ、やっぱり。歌うことによってファンの人達に安らぎを与えようだとか、楽になってもらおうだとかこっちが思うことはせんえつなことだと思う。結果的にそうなってくれるのは歓迎するけど、それこそ選んでもらうことだから。同時にファンの人達も僕らに何かをしてあげられるって思うから、出来ないことを悔しがったり、情けがなかったりすると思うの。だから見てくれたり聞いてくれたりすることで十分なんだよね。本当に純な、無垢な目で見てくれることが、一番いいことじゃないかと思う。
要するに僕はずっと変わってないっていうの。僕はそんなに大したもんじゃなかったのに、周りですごいよ、すごいよって言ってすごいもんになっちゃったわけよ。それが今度はすごいもんじゃないってことになれば、周りは僕を責めてりゃ間違いない、絶対、安全パイなわけや。例えばの話が、今の阪神タイガースをけなすのと同じで俺ああいうの聞いてると腹立つんだけどさ。監督が良くない、ピッチャーの交替の仕方が遅いとかって言うけど、それは違うんだよ。勝つ時は下手やってても勝てる(笑)。負ける時は上手くやっても負ける時があるわけよ。そんなことっていっぱいある。

で、僕もずっと変わってないのに変わった変わったって言われるわけだよ。昔から俺はこんな男やったよって言うわけよ。こんな人間を周りは自分の目で確かめようもないし、個人的につきあってるわけでもないから、本当の僕を知らへんて。ずっとそれは続くだろうと思うよね。でもずっと見てると点と点と点がきっと太い一本の線になってるはずなんや。それに気がつくまでには時間はかかるとは思うけど。
若い頃は綺麗やったとか言われたとしたって、それは綺麗に思えただけけの話で(笑)。今だって変わってないって思ってる人も現にいるわけやから。太ろうが何しようが、そういうことがすごい重要な問題になったりするっていうこと自体が違うと思うね。まぁプレスリーみたいに大肥満になって、ましてや不健康になると良くないけど。健康じゃないと本当に続けられないよ。ちゃんと食べないと声も出なくなるしね。酒飲んでたまにはバカしないとストレスもたまるしさ(笑)。
だからやってはいけないことっていうのは何もないと思うわけ。タバコ吸おうが、ケガしようが、病気しようがたいしたことじゃないしね。ただ何ていうか、人間性云々とかいう方へ行かないで、やってみせたこと――ステージであるとか、芝居だとか、レコードとか、写真とか、そういうものだけの評価をしてくれるようになると一番いいけれども。まぁ、それはこっちの勝手やからね。
(続く)

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